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契約形態のいろいろ
在宅ワークで仕事を行う場合は、必ず契約書を締結しましょう。口約束などで仕事を行うと思わぬトラブルの元になります。契約を締結することは自分も拘束されることになりますが、トラブル防止のためやトラブルが発生した時の解決の拠り所になります。受注した仕事は契約書に則り誠実に遂行することが重要です。
 
以下に契約の概要について説明します。
1.契約の種類
労務を提供するときに締結する契約の種類はいくつかあります。当然のことですが、契約を締結する前に契約内容を十分に確認することが重要です。
 
従業員として給料をもらう契約を締結するつもりだったのに、契約内容は事業主として労務を提供することになっていたため損害賠償の請求をされるというようなことのないよう注意しましょう。
(1) 雇用契約
会社員として働く場合に締結する契約です。正社員、契約社員、派遣社員(派遣会社との契約)などが含まれます。雇用契約の特徴は以下のとおりです。
・会社の指揮命令に従い労務を提供することにより給料を受け取る
・賃金、労働時間、休日などに労働基準法などが適用される
・就労中や通勤途上の怪我や病気に労災保険が適用される
・失業したときに雇用保険が適用される
・厚生年金、健康保険の被保険者になれる
(2) 委託契約
事業主として企業や個人に業務を提供するときに締結する契約です。委託契約の特徴は以下のとおりです。
・労働力の提供により業務を遂行する
・業務を遂行したことを証明する作業報告書を提出する
・労働基準法などの労働関係法令が適用されない
・厚生年金、健康保険の被保険者になれない
(3) 請負契約
事業主として主に企業との間で、契約した内容の完成を目的として締結する契約です。請負契約の特徴は以下のとおりです。
・指定された完成品を指定された期日までに納入する
・完成したら納品書を提出し、検収書を受領する
・労働基準法などの労働関係法令が適用されない
・厚生年金、健康保険の被保険者になれない
2.契約書に記載すべき事項
委託契約や請負契約の場合に締結する契約書には、将来のトラブルを避けるために必要事項を記載します。発注者側も損害の発生を防ぐために記載を希望する事項がありますが、受注側も同様に記載しておくべき事項があります。その代表的な項目を以下に説明します。
(1) 業務内容
委託契約の場合は提供すべき業務内容を、また請負契約の場合は納品すべき完成品を記載します。これが明確になっていないと余分な仕事をしなければならなくなったり、余分な物品を納入しなければならなくなる恐れがあります。
(2) 契約期間
業務開始日と終了日(納品日)を明確にします。期間を曖昧にしておくといつまで経っても業務が終了しないなどの問題が発生します。
(3) 契約金額
委託契約の場合は月額の金額、請負契約の場合は請負総額を記載します。
(4) 納品条件
いつまでに、何を、どのように納品するかを明確にしておきます。納品をすることにより契約金額の請求をする権利が発生しますので重要な事項です。
(5) 検収条件
委託契約の場合は作業報告書、請負契約の場合は納品書を提出してから検収までの最大日数を記載します。これを記載していないと納品をしても検収書がもらえないために契約金の請求ができないという事態が生じます。
(6) 請求・支払条件
受注者は検収後いつまでに請求書を発行するか、発注者は請求書受領後いつまでに支払をするかを記載します。請求、支払の期限を定めていないと請求しても支払ってもらえないという恐れがあります。
(7) 契約変更条件
当初一定の条件で契約を締結しても、その後の変化により契約の内容を変更する必要が生じることは大いにあります。一般的には契約を締結した両者が合意した場合のみ契約を変更するという内容を記載します。つまり、一方的に契約内容の変更ができないようにしておきます。
(8) 契約解除条件
契約を締結したが、何らかの理由で契約内容を続行できなくなることがあります。又は何らかの理由で契約を解除したい場合があります。そのため、どういう場合に契約を解除できるかを具体的に列挙して契約書に記載しておきます。これにより不明確な理由で契約を解除されるのを防止することができます。あるいは逆に契約を解除したいのにできないという事態になることを防ぎます。
 
なお、契約を解除した場合にそれまで遂行した業務に対する支払をどうするかということも明確に記載しておきます。
(9) 守秘義務契約
契約の内容を第三者に開示しないということを記載しておきます。これは契約をした両者にとってメリットのある事項です。なお、契約終了後も守秘義務を負う契約もあります。
(10) 知的財産権の保護
受注側が所有するノウハウにより業務を提供したり完成品を納入した場合は、そのノウハウを発注者が他の業務に転用したり第三者に提供することを禁止することを記載します。これにより知的財産権が保護されます。
(11) 損害賠償
これは発注者側、受注者側の双方に必要な事項です。契約当事者の一方に責任がある行為で他方が損害を被った場合に損害の賠償ができることを記載します。ただし、請求額の上限を定めるのが一般的です。
3.個別契約書と基本契約書
契約書には、仕事を受注する度に締結する契約書(個別契約書)と仕事を受注する場合の基本事項のみを記載した契約書(基本契約書)の2種類があります。
 
個別契約書には、契約に関するすべての事項を記載し、その業務が終了すれば契約も終了します。
 
一方基本契約書は、発注側から類似の業務を何度か受注する場合に共通の事項のみを記載し、個別の事項は発注書などで発注側から指示される方式です。一般的に基本契約書の有効期間は6ヶ月から1年となっており、両者が合意すればさらに一定期間契約が延長されます。
 
基本契約書に記載されるのは次のような項目です。
・業務の種類
・報酬単価
・納品方法
・検収方法
・請求・支払条件
・解約条件
・守秘義務
・損害賠償
 
発注書に記載されるのは次のような項目です。
 
・具体的な業務内容
・納期
・発注金額
参考図書・参考サイト
・これで納得!契約書のつくり方(寺村淳著 総合法令出版)
・契約書式の作成全集―標準型から最新モデルまで書式例を集大成(山崎
 郁雄著 自由国民社)
・契約書の書式文例77―作成頻度の高い契約書式をそのまま使える形で紹
 介!(石井逸郎著 同文舘出版)





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